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目白の客さん (8tq18adx)2024/5/26 13:33 (No.1172909)削除<書評> 紅流 女講談師として生きて
◆ 青雲の志は、永遠に
男尊女卑の父君、子供らに慈愛の母堂の下、三兄弟の真ん中で板挟みの幼少期、父君の「女のくせに」に猛反発
弱きをを助け強きを挫く反骨精神で演劇を志し早稲田で「劇研の過激派」の異名を。世は「連合赤軍事件で騒然。
青春を謳歌した後、師杉村春子の門を叩く。研修科進級経緯の中で己の葛藤と蹉跌を乗り越えて番衆プロへ移籍。
一路演劇俳優の道を邁進するも新たな運命が。読みどころ各章での張扇の音色が響き渡りさすが講談師面目躍如。
名言「指す 舞う 語る」の師匠が常に懐に抱かれていた「女流創作講談」の先陣を切られて講談の革新に挑戦、
そして格好の幻想文学者泉鏡花との出会いを経て前座入門、以降エピソードは先般の「ラジオ深夜便」に詳しい。
角界に相通ずる理不尽なヒエラルキー世界、泥酔兄弟子の横暴、談志家元との交情と厚情、テレビ失敗談の暴露、
苦境を脱されて幼少期の「女のくせに」への反発が情感細やかにユーモアを交えて綴られる筆致は心に響きます。
個人的ですがここからリアルタイムでの評文交じり。、紅講談に親炙したのは真打昇進以降。お会いできたのは
菊千代・かるた両師匠真打披露ホテルオークラ会場、その後足繁く新本牧亭へ。銀座十字屋「ウーマンテイナー」
懐かしい顔ぶれが蘇る。「女衒」に関連、日刊スポーツ映画大賞選考委員会、品田雄吉氏と紅さんの選択に関心が。
時実新子氏、以前から理系女を装う紅さん実は文学少女の才質も豊か、一代の川柳作家との交流に絆を感じます。
(続く)